中古マンションを買うまで② マンションを見に行く
※中古マンション購入までの道のりです。あまり役には立ちません。
前回まで
ある日、物件情報サイトで好立地に驚くくらいの値段の中古マンションを見つけて、マンションを購入する予定もなかったのに、その場で業者に連絡していた。
ここから
ひとめぼれした中古マンションの仲介業者に急いでメールをして一週間後、マンションを見に行った。
門の前には仲介業者の方が待ってくださっていた。
すらっとした、都会のにおいのする方だった。
はたして、私はいい歳して軽装にリュックという恰好。
少し恥ずかしかった。
マンションに入ってみると、中古30年だと思わないほどきれいだ。管理の良さは一目瞭然。さすが全国ディベロッパーのマンションだ。感動しながら部屋に向かった。
しかし、中に入ると、築年数の経過は隠せなかった。一度張り替えたらしいフローリングもきれいではなく、水回りも古かった。タイル張りのバスルームは、サイトで見たときは少しレトロな感じがして「そのままでもいいかな」と思っていたけれど、実際に見るとレトロでもなんでもない、ただのタイルだった。
明らかに今住んでいる賃貸物件の方がいい。
期待していた眺望もそんなでもない。
ただ、最初からフルリノベーションする気だったので、内装は見ても仕方ない気がした。変に統一感のないリノベをされるより、ずっといい。
それにしてもやはりこの値段で、角部屋、バルコニーは二つ、すべての部屋に窓(一つは出窓)は考えられなかった。
「なぜ、こんなに安いのか」と聞いても、「そんなに安いわけではない」との答え。
「本当にそうなのか」と考えるが、それよりも頭の中のローン計算が止まらない。
それにしても、この業者さんはどこかで見たことがある。
見学後、名刺交換をして学生時代の同級生だったことがわかる。
私の母校はOB同士の結びつきがすごく強い。
東京から10年前にUターンしてきた私も「お世話になるなら母校系列」が染みついていた。
「いや、もう、ここ買うしかないのでは」
運命かもしれないと思い始めた。
それにしても想定以上に安い運命である。
〈続く〉